「渚…」


みんな静かに聞いてくれている。 


「なんであんな奴らを心配するの!?自分の身体を心配してよ…」


私の肩を結の掴んでいる手がだんだん強くなる。


「確かに…痛いし…みんなに迷惑かけちゃったし…いつ退院できるかもわからないけど…誰が一番悪いってわけじゃないから…こんなことになったのも…私がちゃんと…結の誤解を解いてあげなかったからだって思ってる。だから悪いのは私なの」


「渚…」


「そんなに辛かったなら…なんで言わなかったんだ?なんで…守ろうとするんだ…?」


望のいつものクールな声が少し高くなったり、目の下が少し赤い。きっと泣いたんだとすぐに理解できた。


「私と結の問題だもの…みんなを巻き込むわけにはいかなかった…」


私はみんなに幸せな時間を過ごして欲しかった。


「私は渚に守ってほしいだなんて思っていない。渚が傷ついてまで守ってほしいだなんて思わない。私の大事な友達が傷ついて平和に過ごせない。そんなに私のこと信じられないか?」


私はその少し鋭い言葉に下を向いた。