想いを残した距離に

「ね、ねぇ、大河?このふたりは…」


様子を見るとまるで虎と龍が睨み合っているかのように見える。


ふたりの言い合いの中、私はこっそり大河に尋ねた。


「いや…前のクラスからも仲が悪くって…なんでも学年1位と2位を争ってるらしい…」


「嘘!?望ちゃんすごいね!」


喧嘩をしているというのに驚きで望ちゃんを褒めてしまった私。


「まあね」


怒られると思ったけど望ちゃんは少し照れて下を向いた。


「まあ、こいつが消えてくれれば万年1位なんだけど…」


そう言うと望ちゃんはまた顔を上げて月影くんを睨み始めた。


「あなたが僕より点数取れないからでしょう」


「はぁ?前回負けたやつが何をほざいてるんだよ」


「た、たった1点差ですが?」


「1点でも勝ちは勝ちなんですけど」


ふたりの言い合いはなかなか終わらなかった。というか終わる気配なんてなかった。


「あ、あのさ…せっかくだから仲良くしよ?ね?」


私はびくびくしながらも必死にふたりに
説得した。