そして、私は蹴られているのに京子ちゃん達に微笑んだ。


「渚!」


遠くの方からそんな声が聞こえてきた。
私はその声をとても懐かしく感じていた。


「あんたたち!渚になにしてんの!?」


そこにいたのはいつも綺麗な髪の毛がぼさぼさになった結だった。


「ゆ、結〜。心配したんだよぉ?」


結は京子ちゃんの言葉を無視して私を抱き起こした。
  

「ゆ、い…」


結が戻ってきてくれた。
学校に来てくれた。


「ごめん、渚。話は聞いたの。ごめん」


私の顔にポツポツと落ちる結の涙。
私が泣かせてしまったんだろうか…。


いや、私も泣いてるんだ…。


「な、んで?謝るの?私のほう…こそ…ごめん、ね」


そう言った瞬間、私はホッとしたのか痛みに耐えられなかったのか意識を失った。