想いを残した距離に

連れて行かれたのは体育館倉庫の裏だった。


「ここなら、誰にも気づかれずに遊んであげられるね」 
 

そんな声が聞こえると同時にまたみんなは私のお腹を蹴り始めた。 
きっとお腹ばかり狙うのは気づかれないからだと思う。


「ゲホッ!ゲホッ!」


ただ、吐き気と激しい痛みが私を襲い続けていく。私はどうすることもできなかった。


しばらくすると髪の短い子が焦るようにそう言った。


「京子。チャイムが鳴っちゃう。そろそろ行かないと…!」


もう…そんな時間に…。


「そうね…。いいこと?このことを誰かに言ったらその人のことをいじめたあげるからね。特に大河くんと幸くんとかね」


京子は笑いながらそう言うとみんなを連れて私から離れていった。


「痛い…」


お腹の痛さが尋常ではなかった。
触らなくても頭に響くくらいの痛み。

私は立つ気にもなれず、その場で倒れこんだ。


結は学校に来てくれたかな?
私、まだ謝れるかなぁ?


私の頭の中は結のことでいっぱいだった。


気がつくとその日の1時限目は終わっていた。