想いを残した距離に

「渚」


私はその声を聞いて後ろを向いた。
そこにはバスケのユニホームを身に纏った
幸くんがいた。


「見てたか?ダンク入れたんだぜ?」


幸くんは顔に垂れてきた汗をユニホームで拭った。


「う、うん!幸くん、カッコ良かったよ」


「そうか?嬉しい」


「でも…女子のみんなに言われてることでしょ?」


あ、しまった…。
私なんてことを言ったんだろう…。


「何?妬いてくれたの?」
  

「え、そうなるの…かなぁ…」


私は恥ずかしくなって少しうつむく。
多分、頬も赤い。


「はは、渚に言われるから嬉しいに決まってるじゃん。他の人はそんなに嬉しくないんだけど」


「そ、ですか…」


嬉しいなら良かった…。


「おい、東道ー!」


「あ、呼ばれてるや…じゃあな」


幸くんは私に手を振ってバスケに戻っていった。


後ろで結がにやっと笑っているのも知らずに…。