「誰ですか!!」

 自分にびっくりする。こんな勇気が

あったなんて。

 いや、臆病なのだろう。怖がりなのだ

ろう。肩、手。全体が震えている。ただ

声だけは震えてなかった。

 振り向いて話しかけたのは、そう。

 怖がりの、小さな好奇心なのだろう。

「誰かいるんでしょう?でてきて下さい

よ」