ただ痛くて、苦しくて。

 汗ばんだ右手でギュッと胸元を掴む。

「ふーん・・・・・・」

 朝架は何か分かったみたいな顔を浮か

べて、何か考えてる。

 ・・・その目が冷たく感じるのは気の

せいだろうか。

「何でもないよ!行こう、朝架」

 ここにいて、二人を見ているのがつら

くなっていき、グイグイと朝架の手を

引っ張った。