「あたし、歌は歌わないから」


そう言い、ユキに背中を向ける。


しかしユキはそれを引き止めた。


「ちょっと付き合ってくれるだけでいいから」


相手がカナミならカラオケに付き合うくらいできるけど、ユキと2人きりというのがあたしにとっては大きなストレスだった。


「ね、お願い!」


「……わかった。でもあたしは歌わないからね」


そう言い、あたしは渋々ユキについて行くことになったのだった。