怨み赤子

☆☆☆

灰色の壁が広がる牢獄の中あたしは1人目を閉じていた。


あたしの人生を奪い取った赤子は、今海外で有名な水彩画家として活躍しているようだった。


あたしよりもはるかに上手なその絵を見て、あたしは目を開けた。


周囲には真っ暗な世界が広がっている。


史上最悪の凶悪犯として地下の牢獄に入れられて5年がたとうとしていた。


ナイフからはあたしの指紋が出てきて、現場を目撃した生徒たちは口をそろえてあたしが犯人だと証言をした。


逃げ道なんて、どこにもない。


怨みはなにも産まない。


産むのは……この世で最も恐ろしい赤子だけ……。


死刑囚になり、ようやくそのことを理解したあたしは、自分自身の愚かさに涙を流す事さえできず、終わりの時を待つのだった……。






END