「んっ、……んー……」 あたりがぼやけて見える。 「あ、由希ちゃん、大丈夫?」 ぼんやりとした影が、顔の前にあった。 「……楓花……さん?」 私がそう言うと、楓花さんはホッとしたように「良かった〜」と言ってくれた。 「……ここは……」 私がそこまで言った時、ガラガラッと、扉の開く音がした。 「あっ、聖矢くんっ! 由希ちゃん、目、覚ましたよ!」 「え、マジで!?」