二人は何も言わなかった。
私はまた涙が出てきた。
そして、空に向かって手を合わせた。
「私…美波の最期を見てたから…
最期の美波の姿…
最期の美波の言葉が忘れられなくて…
忘れたくなくて…
美波…苦しいはずなのに最期に言ったのは
やっぱり私と湊のことで…
意識なかったのに私が呼んだら目を覚まして…
私を見て笑ったの。
ほんと少しだったけど笑ったの。
私美波に感謝伝えたかったのに
泣いてすがることしかできなくて…
美波あのとき私に笑ってって言ったのに
私は泣くことしか出来なかったんだ。
ちゃんと伝えたかった。
ありがとうって言いたかった。
今生きてるのは美波のおかげだって…
でも何も言えないまま、美波は動かなくなった。」
私はそう言ってしゃがみこんで泣いた。


