生きる。



「湊、寝坊なんて珍しいね。」


「あぁ、遅くまで勉強してた。」


「へぇ、湊も勉強するんだ。」


「俺んちは勉強だけしとけば何も言われねーしな。」


「そういえば湊んちってお金持ちだよね。

初めて行った時びっくりしたもん。」


「え、由茉もう湊んち行ったの?」


爽が聞いてきた。


「あ、ううん。美波に頼まれて行ったとき。

まだ湊と会ったこともない頃の話。」


「俺んち親父は橘グループの会長。」


「へー、つまり湊は御曹司ってやつ?」


「まあそんなとこだな。」


「湊、自分から言うなんて珍しいね。」


爽が言った。


「由茉ならいいだろ。

しかもこの反応。

興味なさそうだろ。」


「え!?そんなことはないけど…」


「湊はそういう立場だから

それを狙って近づいてくる女もいるんだ。

だから基本的に自分のことは話さない。」


爽が教えてくれた。


「あー…なるほどね。

でもそんな人が暴走族の総長なんてね。」


「高校の間は好きにさせるって。

高校出たら嫌でも会社の勉強させるからって。

この高校選んだのも俺だしな。

それに親父は如月のこと、理解してる。

偏見はないから。」


「へー、ならよかったね。」


私は湊のことをあまり知らなかったから

こうやって自分から話してくれるのが嬉しかった。