「もうあれから1年か…」
私がポツリと一人言をいった。
「どうしたの?」
哉斗が聞いてきた。
「去年の今日、初めて美波の弱音を聞いたの。
死にたくない、湊に会いたいって。
外に行きたい、走りたい、泳ぎたい。
日本に帰りたいって。
まともに会話したのはそれが最後だった。
私は何も言えなかった。
美波の調子がずっと悪かったから…
美波もわかってたんだろうな。
長くないって。
美波から出る言葉はいっつも湊で…
今は私の美波なのにー!って嫉妬したりして。
笑えるでしょ。
でも、美波は本当に帰りたいんだなって
去年の今日思ったの。」
「そっか…」
「去年の今ごろは思いもしなかったな。
美波のだいすきな湊と無理矢理知り合って
みんなと仲良くなって
美波があんなに好きだった湊と付き合って…
たった1年なのにこんなに違うんだね…」
私の言葉に誰も何も言わなかった。
「またみんなで来ようね?」
「あぁ、そうだな。」
湊がいった。


