生きる。




「…哉斗を手にいれるために?

そのためにこんなことするの?」


私は怒りでおかしくなりそうだった。


「だったら悪い?

あんたなんかいなければよかった。」


「小林さん。

あなたが振られたのは去年でしょう?

私も美波も関係ない。……違う?」


「うるさいよ?

あなたたちがいなければ

もっと近づけたかもしれない。

違う?」


「違う。哉斗はあんたなんか選ばない。

選ぶはずないでしょ?

平気でこんなことするあなたみたいなタイプが

哉斗は一番嫌いなの。

そんなこともわからないの?


人の気持ちもわからないような人を

哉斗は絶対選ばない。

…ねぇ、返してよ。私の上靴を。

あなたなんかにはわからないよね。

私がこの上靴をどれだけ大切にしてきたか。」


「は?そんな汚い上靴を?

ばかなんじゃないの?」


そういって笑う小林さん。


「この上靴は兄が初めて私に買ってくれた物なのに。

兄が汗水垂らして働いて稼いだお金なの。

ばかにしないでくれる?」


「……へぇ、これも?」


そういって出したのは一輝に買ってもらった腕時計。


「………!

それもあなたたちが?

じゃあ写真とMDも?

返してくれない?」


「……じゃあ哉斗くんちょうだい。

もう近づかないでよ。離れてよ。」


「……できない。」


「これ、壊されてもいいの?」


「あなたこそ、哉斗のこと

壊そうとしてるのわからない?

哉斗は誰よりも裏切られることに怯えてる。

誰か一人でも自分から離れていかないかって

不安なんだよ!

なのになんでそんなこと平気で言えるの!?

本当に哉斗のことすきなの?

哉斗のこと見てきたの?

なんであんなに女が嫌いなのか

人が信用できないのか

考えたことはないの!?

哉斗をばかにするのもいい加減にして!

哉斗はそんなに安い人間じゃない。

哉斗はそんなに軽くない。

哉斗を傷つけたら私が許さない。」


私の怒りは沸々とこみあげてきた。