生きる。





私がそういうと目の前の女の人は

悔しそうに黙った。


「なーにしてんの。」


私がこうやって絡まれてると

助けてくれるのは必ず哉斗。


「哉斗…」


「掃除終わったよ、帰ろ。」


「あ、ありがと。」


「もうこの子に近づかないでね?」


「…哉斗?」


いつも笑顔で対応する哉斗が真顔でびっくりした。


「か、哉斗くん!私…まだ…」


「俺女嫌いだから。」


「でも…その子は…」


「この子は特別。

…行こ、由茉ちゃん。」


哉斗はそういうと私の腕を掴んで歩き出した。


「…哉斗?」


「ごめんね、巻き込んだ。」


「そんなの、全然いいよ。

でも…どうしたの?」


「…由茉ちゃんだから言うけど

俺あの子に去年の文化祭の告白大会でコクられてさ

俺表向き女の子に優しいじゃん?

だから優しく断ったんだよね。

そしたらあの子は"振られても好きです。"って。

めんどくせーとか思ったけどみんなの前だし

笑顔見せて終わったんだよね。

そしたらそれからもしつこくってさ。

ストーカーっぽくなってんだよね。

家に来たりもしたし、溜まり場にも来てさ。

由茉ちゃんが来てから一気に減ってたんだけどね。

今日由茉ちゃんが俺んち泊まったことも知ってるはず。

だから由茉ちゃんの前に出てきたんだよ。」


「……だから告白大会の時に

私にメールくれたんだ。」


「由茉ちゃん優しいからね。

結局湊に助かったけど。」


「……私、巻き込まれたなんて思ってないからね。

罪悪感なんて感じないでね。

私は好きで哉斗といるんだからさ!

教室戻ろ!」


私は悲しそうな顔をする哉斗に笑顔を向けた。