生きる。




「親父が死んでから母さんは人が変わった。

哉斗さえいなければ…そう言いながら

ナイフを持って俺に向かってきたんだ。


俺は暴走族だし、普段ならそんなの

どうってことなかったんだけどな。

相手が母さんだったから…俺は逃げた。


俺はそれから如月に入り浸って

学校にも行かなくなって…2ヶ月くらいかな。

俺家に帰ったんだ。

でも家には誰もいなくてメモと封筒があって。

メモには母さんは男の人と暮らすって書いてあって。

封筒には50万入ってて…

それから毎月金だけがテーブルに乗ってて。

母さんとはもう会っていない。


俺は桜が丘に進学が決まって

書類を常に机の上においておいたら

母さんは書いといてくれてさ。

中学の卒業式の日にはテーブルの上に

ここの鍵とこのスマホがあってさ。

家を売るからここに住めってメモがあって

来てみたらこんなとこでさ。

金も毎月きちんと50万届くし学費も払われてる。


で、爽に調べてもらったら母さんは結婚してた。

20代のIT会社の社長とな。

今はそいつとの間に子供もいるんだ。

俺だけ邪魔物だった。

母さんが何処に住んでいるのかは知ってる。

入学の書類に書いてあったしな。

でも行くことはできない。

どうしても、ナイフを持って

俺に向かってくる母さんが出てきて…

それだからかな。

俺が女のこと信用できないの。

たった一人の男を失っただけでここまで狂うのかって。

そんだけ狂っといてすぐ男見つけて。

俺を平気で置いてって金だけ送りつけて。

女って信用できねーよ。」