「哉斗!」
資料室につくなり、
湊が心配そうな顔をして俺を見てきた。
「とりあえず落ち着いた。」
「理由は?」
「あくまでも俺の予想ね。
何もいってくれないし、俺由茉の顔見てないから。
たぶん、自分の存在価値が
わからないんじゃないかな。
なんで私なの?なんで美波なの?って。
自分が死んで、美波が助かれば
すべて丸く収まったのに。
心のどっかでそう考えてる。
由茉を姫にした理由もさ、確か
由茉の笑顔を守れ
由茉の瞳の光を守れ
そう美波に言われたから、だったよな?
美波に頼まれたからで、
由茉を必要としてたわけじゃない。
今は違うかもしれないけど、それを由茉に伝えたか?
なんで今さら由茉がそんなことを
考えてるのかわからない。
きっかけは小さいことかもしれない。
でもいろいろ積み重ねてきたのが
一気に崩れたんじゃねーかな。
俺らさ、自分のことなんにも喋らないじゃん。
だから余計に由茉は
なんのために自分がいるのかわからない。
由茉は最初から話してくれてたのに。
それとさ。多分美波がいなくなって
甘える場所がないんだよ。
美波の手紙にさ、
"由茉が辛いことや弱いところを
見せてくれて嬉しかった"って書いてあったじゃん。
あの言葉の裏はさ、
由茉は弱音を吐けない強がり
ってことなんじゃねーかな。
由茉は小さい頃から入院してて
友達も作らなくて、7歳から一人で渡米。
甘えることを覚えてこなかったんだよ。
やっと本音を言える友達、
美波って存在ができたのに、
美波はすぐにいなくなっただろ。
だから、誰かに言いたいのに、
言える人がいないって状態なのかもしれない。
だから余計に溜まって、
でも美波に笑ってって言われてたから
無意識に笑うようになってたんじゃねーかなって。
あくまで俺の予想だから。」


