一月下旬
目覚めたら廊下が騒がしい…
なんだろうと足を運ぶと美波の病室だった。
「……え?」
体が拒絶してる。
気になるのに、どうしても体が動かない……
私に気づいた看護師さんが
私を美波の元へと連れていってくれた。
美波は意識がなく、医師や看護師が
騒がしく動いている。
「美波……?
ねぇ…やだよ……美波!!!」
私は手を握りしめ、ひたすら美波に話しかけた。
「ゆ…ま……?」
「え……」
美波の意識が戻ったのだ。
「…み、美波?…やだよ…違うよね……?」
「ゆ、ま…?笑って…?
由茉……あたしのこと…湊に伝えて…?」
「うん!伝えるよ…美波……ッ」
「約束…ね…」
美波はそういって、微かに笑った。
話したいことがたくさんあるのに
伝えたいことがたくさんあるのに
私は涙が溢れて何も言えなかった。
「由茉…笑って…?」
微かに笑いながら私に言った美波に
私は涙を流して名前を呼ぶことしか出来なかった。
それから美波はまた目をつぶって
その目が開くことはもうなかった。
美波が笑うことはもうなくなった。
美波が私の名前を呼ぶことももうなくなった。
静かになった病室に
動かなくなった美波と私だけが
取り残された。


