生きる。





「…どういうこと?」


爽もわけわからないらしく、

由茉に聞いていた。


「……美波は亡くなりました。

今年の始めに。」



「…いい加減なこと言ってんなよ。」


俺はもう我慢の限界だった。


「嘘ではありません。

私だって信じたくありません。

……最期看取ったのは私です。」


は?


「詳しく説明してほしいんだけど…

いい?湊。」


俺にはこいつの話を聞く気にはなれなかった。


ここにいたくない、そう思った。


部屋から出ようとしたら由茉に腕を掴まれた。

振り払うこともできたけど、俺は動けなかった。


力のこもった手から、

由茉の願いが伝わってきた気がしたから。


「待ってください!お願いです!

せめて…これだけでも受け取ってください。」


そう言い、由茉は俺に『湊へ。』

と書かれた封筒を出した。



「美波から橘くんへです。」



この時の由茉の目が俺は忘れられない。


強くて、そらしてはいけないと感じさせる目。


「……美波の字、だよな。」


爽に言われてよく見ると、

確かに美波の字だった。


「話を聞いてほしいです。」


俺は仕方なくソファへ座った。


「すべて話します。私と美波の関係、

そして今までのことを。」