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「ふぅ…お前で最後だ。」


「斗愛お疲れ。
サービスのビールでもやるわ」

目の前に立っている凛夜が苦笑いを浮かべる。

周りに配る奴が固まってたのが幸いか、配り終えたのは夜の11時をすぎた頃。

差し出されたビールを飲み、招待状に目を向ける。


「高校卒業してからこんなに経つんだな、早いもんだ。
仲間で結婚したの蓮司と愛華ぐらいだしな。」


「そーだな。
まぁ、閉店してすぐに来られるこっちの身にもなってほしいわ。」


「それは蓮司に言えよ。」


凛夜は過去を思い出すかのように、微笑みながら招待状の写真を見つめる。

それぞれ、別々になっても不思議なもので連絡はよくとって飲みに行ったりしている。


「あの頃は色々あったもんなぁ」


「そうだなぁ。
まぁ、愛華が幸せならそれで良いんじゃないか?」


愛華が幸せなら。


愛華が笑っていられるなら俺らは良かったと思える。

お互いに傷つけあって、すれ違ったけどあの経験があったからこそ今の俺がいる。


俺は飲み終えたコップを置き、招待状を持ち凛夜と別れた。

家に車を置き、凛夜の店に行ったから帰りは歩きだ。

「まぁ。あの頃の俺だったら、俺が愛華を幸せにしたかった。とか嘆くんだろうな…」

小さく鼻で笑いタバコに火をつける。

あの頃の俺とは違う。


今の俺は結構成長したと思う。


今こうして、パティシエをして、毎日楽しく暮らせているのは、愛華と姫王のやつら、そして、狭蘭のやつらのおかげだと思う。


あいつらは俺にって最高の唯一無二の存在だな。


「なんて、くせぇこと言えねぇけどな。」


まぁ。


感謝しても仕切れないって事は確かな事だな。

結婚式にでも愛華にこっそり言ってやるか。


「絶対泣くだろうな…」


なんてつぶやきながら月明かりが綺麗な夜道を歩いて行った………。


ー白雪 斗愛side endー