「高校は県外へ行きなさい。」
変わらず感情が読めないお婆様。
「はい。」
「それだけです。さがりなさい。」
「失礼します。」
拍子抜けした。
お婆様からこれといって妖について話は無く、
闇に憑かれた妖はいまだ出現していないようだった。
県外の高校か…
悪くないな。
気づけばもう九月。
新学期が始まっていた。
依然として瑠璃の疑惑は晴れていないようだ。
学校でも話しかけてくる東絛の人間はいない。
県外への進学はいわゆるコネが使える高校なので
今更受験勉強する必要はない。
私これからどうするんだろう。
東絛に来たときは、
いつか絶対出ていってやるって思ってたけど
実際その話は現実味が無いことに気づき始めている…
お母さんはなんで出ていったんだろう。
そういえば夢の話…