「東絛昭信。すぐに向かえ。」

「はいっ!」

司令官にそう言われた男は、

長身のムサッとした色黒だった。

柔道部の主将やってそうだわ…

たしかこの春大学に上がった人だ。




ぼーっとしていると、人が捌けていく

あ、終わったのか…

もっかい寝よ寝よ。








緊急時に呼ばれるような人達は

毎朝早くに起きて訓練なり自主稽古なりをする。


私はというと、朝は掃除に勤しんでいて

滅多に参加はしない。

お婆様が離れを貸してくれたので、

雑巾がけも一苦労である。

ここに越してきたときは、

一人一人に小さな家みたいなのがあるのか

金持ちだな

とかおもってたけど、

やっぱり他の人達は、一室を借りているだけだった。

親がいいとこのお嬢様ってすごいなー…