愛しのモンティー


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モンティーが私の家族になったのは今からちょうど1年前の秋

仕事帰りに異常にノドが渇いて近くにあった自販機でお茶を購入しようと思い立つ。

そこに突然……

「ピィーピィー」

か細い泣き声が聞こえて辺りを見回すけれど何も見えない。

そこで、『自販機にお金を投入するのに失敗して落とした硬貨を探している』

そんなふうにしか見えない格好で、声のする方へ這いつくばって覗き込むと……

黒っぽい塊が微かに見えた。

そう、それがモンティーとの初めての出会い。

親猫や兄弟たちとはぐれたのか1匹で自販機モーターの熱で暖を取っていたらしく

衰弱していた体は片手に納まる程に小さくて、か弱い存在

その足で動物病院に駆け込んだら獣医さんにこう言われた。

「最善を尽くしますが一応覚悟はしていてください」

そんな言葉にショックを受けながらも

『大丈夫。絶対に死なせたりしない』

何の根拠も無かったけど仔猫が死ぬとは思っていなかった。