愛しのモンティー


「私のモンティーをどこにやったの?」

異常な状況にも負けてはいられないと男に詰寄り問いただす。

「ハ……見て分かんないの?」

男が心底呆れたって表情で私を睨んでいるけど……

そんな表情さえキラキラと粒子が輝きを放っているみたいに見えるから“パチパチ“思わず何度も瞬きを繰り返す。

「いえ。分かりません」

「おまえ……やっぱアホだろ」

「くぅーーー」

初めて会った謎の男にアホ扱いされたら頭に血だって上ります。

「俺がそのモンティー……

あぁー言いたくなかったのに、ちくしょう……

てか何でモンティーって名前にした訳?」

「そっか……モンティーだったの……

その名前、そんなに嫌なの?

ええーーーーーー」

「だ・か・ら、何度言ったら分かるのかな?

大声を出すのはやめましょうね」

聞き分けのない子に噛み砕いて言い含めるみたいに言われては面目ない。

そんでもって“はあはあ”全力疾走した後みたいに酸素が足らない。