「山口さん……顔が真っ赤だけど大丈夫?」

急に顔を近づけられて思わず体がのけ反りそうになる。

「だ……だい、大丈夫です。

あの……

でも……

休みの日に私の買い物に付き合って貰ったら星野さんの彼女に申し訳なくて……」

咄嗟に口から出た言葉だったけど、こんなイケメンに彼女がいない訳がない。

自分の言葉に自分で落ち込みそうになっていると……

「さすがに彼女がいたら買い物に付き合うなんて言わないから安心していいよ。

現在付き合ってる女性はいないから……」

私があからさまにホッとした表情をしていたからだろう星野さんはハハと声を出して笑っている。

「山口さんはどうなの?

買い物が終わった後に俺ボコボコにされたりしない?」

「そうですねーボコボコにする人は居ませんけど……

気に入らなければ“フーーー”って威嚇されるかも知れませんねー」

どこまで本気で言っているのか分からなかったから冗談ととって貰えるように頑張って答えてみた。

「うわぁーそれってモンティーに会わせてくれるの?」

急にテンションが上がった星野さん。

星野さんって……もしかして猫好きだったの?

「別に構いませんよ」

「あの……山口さんが恋人に求める条件はなに?」

星野さんの言葉にハッとなる。

「それは人間になったモンティーに訊いてください」

「アハハそうきましたか……分かった今度訊いてみるよ」