「勝手に撮影したって時点で盗撮です。
またそれを本人の承諾も無しに拡散させておいて随分な言いようですね?
こんな話余所で言ったら笑われると思いますよ」
突然姿を現した私に非難された事が余程面白くなかったのか、目をつり上げて睨みつけられてしまった。
「エラそうに……あなた誰よ。関係ない人は黙ってて……」
「えっ?」
当事者の私が関係ない人とはどーゆうこと?
驚きの余りに間抜けな声が出てしまった。
唖然として言葉を失った私と凄みのある表情のまま睨みつける西山さん。
そんな狭い給湯室にまたもや新たなメンバーが加わる事になった。
慌てた様子で入って来たのは矢野君
「あのー山口さん見ませんでしたか?」
『見ませんでしたか?も何もあなたの目の前にいるでしょうが……』
またしても声が出せない程驚いていたら、
「そー言えば今日はまだ見てないわね」
西山さんが矢野君に返事をした事で皆が私に気が付いていないらしい事が漸く理解できた。
「どーしよう。いつも『資料室整理』をサボる理由にしてたから人事課長にデータ化されてない昔の資料を至急集めてくれって言われたけど何処にあるのかさっぱり分からない。」
どーしようと言いながら頭を掻きむしる矢野君の話を聞いて又しても唖然とすることになった。
面倒な雑務を押し付けられる事も多かったけど、まさか私がしていた仕事まで自分がやっていたと報告していたのかと……
それも自分が仕事をサボる為なんて余りにも酷い。