「あの、山口さんどうかされましたか?」
いいえ。軽くトリップしてただけですから……
「な…なんでもありません。
どこで服を探せば良いのか分からないだけなんです」
困り顔でそう返事をしたのは本当に何処へ服を買いに行って良いのか本当に分からなかったから。
「あの……知り合いの店で良かったら紹介しますよ。
あっ…もし気に入らなければ断ってくれて全然構いませんからね」
今までまともに会話すらした事も無い、一顧客に過ぎない私の話を真剣に聞いてくれる星野さん。
お洒落な彼の見た目だけで私とは絶対に話が合わないだろうと勝手に決めつけていた事を深く反省する。
「ありがとうございます。ご面倒でなければ是非お願いします」
ペコリと頭を下げてお願いした。