『ふーん。ボブも案外似合うかも……』
そんなふうに思っていたら更にハサミはバサバサと髪の毛を切り落としていく。
気が付けばあっという間にベリーショートに大変身。
『おぉーめちゃ頭が軽いんですけど……』
モンティー曰く、どーせ切るならバッサリ行けとのこと。
「何がさらさらつやつやのロングストレートだぁーおまえホントは天パーだろ
『あっ!根元がうねってきた』って言ってるよな?」
“ドッキーーン”
はぁー酔っぱらった私はどれだけモンティーに秘密を打ち明けて来たのだろう?
「無い物ねだりも分かる、でもそろそろ自分の特性を生かす事も身に付けたら楽だろ」
人間ならまだ1歳になったばかりの年齢、でも猫年齢だと二十歳前後で立派な成人。
青年というより悟りきった年寄りみたいなモンティーは私の師匠、まさにニャンコ先生だ。
「いかがですか?」
星野さんがバックスタイルも鏡で見せてくれたけど、お猿さんみたいに見えなくもない。
「すごくお似合いです。今度ボディパーマを掛けてみたら?
パーマの持ちも良さそうだし動きも出ますよ」
接客のプロだから愛想でそう言ってくれたのかも知れないけど、
いつも以上に清々しい笑顔で褒められると素直に嬉しいと思えてくるから不思議だ。
「次回はお勧めのパーマをお願いしようかな……
あの……時間があったらメイクもして貰えますか?
無理なら眉だけでも整えて欲しいのですが……」
モンティーからのミッションはまだまだある。