「出口はどこー....。」
僕、イタチは出口を求めて、果てしない闇を歩いていた。
「なにしてんだ?こんなところで」
隣には魂がうようよと浮いては沈み浮いて喋っていた。
「がしゃどくろの内部ってこんなに広いものなのかい?」
負け犬の僕は聞く。
「ここはがしゃどくろの内部じゃねぇ。」
魂は何気なく答えた。僕は驚く。
「じゃあここはどこなの?」
「感情のごみ箱だ。とある少女の、いらない憎たらしい感情が集まるところだ。
おまえもお払い箱になったのだろうな。」
魂は低い声で言う。僕はより一層わからなくなった。
「僕はそのだれかさんの感情じゃないよ。僕は感情じゃない。人間さ。」
「そういって皆消えちまうのさ。仕方のないことだ。おまえもそのうち俺みたいに魂になって、そのうち魂も燃え付き、最後には跡形もなく消える。」
魂は時々消えそうになる炎を一生懸命燃やしていた。
「そんなのいやだよ。出口はないのかい?一緒に出よう。」
僕がそういって辺りを見回すとキラリとなにかが光った。
「糸だ。」
僕は細い光る糸を掴んで上を見上げた。
「空....。!!!出口だ!!!」
上にはぽっかりと穴が空いていて、そこから青い空が顔をだしている。
僕はその糸を手繰り寄せて上る。
「出口があったの?!僕もでる!!」
気づくと、ルケットとそのほか大勢が集まってきた。
「皆近寄るな!!!こいつが出る!!邪魔するな!!」
さっきの魂は群がる群集を止めようとするが、群集に踏み潰され炎が消えた。
僕は一生懸命に上る。上る。上る。もうすぐ出口だ。