年は和正。近未来化していた日本が、平成のファッションを始めに昔流行ったものの流行りが始まり、いまや日本自体が大正化した。大正化というのは、大正の時間に戻ったかのように建物や服装がタイムスリップしたことだ。
そういう訳で日本、いや世界全体がタイムスリップしたかのように過去へ時代や流行りが戻ってきたこの時代は、何かと不可思議な時代でもあった。

そして、僕は貴方に出会ったのだ。

時刻は夕暮れ、天気はよく、空気は澄んでおり、夕日が山に沈んで行くのが丘から見える。

僕はこの丘で夕日を眺めるのが好きだった。
今日も、また、丘から山々を見つめていたころだった。
貴方はいままで毎日この丘で夕日を見ていたかのように、自然な感じで丘の上で夕日を見ていた。
僕は遠目で見ていたが、ふとこう思ったのだ。
「弟子になろう。」
なぜ弟子なのかはいまいちわからなかったが、とにかくあのひとのためになにかしたいと思ったのだった。
そんなわけで軽やかに貴方の元へ走っていった僕は、貴方の肩を叩くとこう言った。
「僕をあんたの弟子にしてくれないかい。」