目を開けると、そこは空から地平線まで紅い世界だった。遠くに電柱がいくつも並んで見える。
そこに、一人の少女が永遠に泣いていた。
蒼いボアのコート、はらわた色の髪を一つに結い、首から下が骨で出来た彼女は泣いていた。
「どうしたの?」
僕は聞く。
「みつからないの。」
少女は泣いたままつぶやく。
「一緒に探してやろうか?」
僕が聞くと、少女は頷いた。
「なにがないんだい?」
僕は聞く。
「心がないの。」
少女は答えて、指を指した。
そこには0と1が写り混む小さな水溜まりだった。深そうな水溜まりだ。
「皆...ないの。私も、皆も。」
少女は言う。
水溜まりを覗くと腕が中から出てきた。
「うわっ!」
僕は足を捕まれ、そのまま引きずり込まれた。