「とにかく!さっさと手首離して!」
「う~ん、いいよ。じゃあ手首は離すね」
いやいやいやいや!
『いいよ』じゃなくて、普通許可なく私の体に触ってるのはこいつなんだから離すのが当たり前でしょ!
...でも、こいつにしてはやけに食い下がるのが早い。
ん?待てよ。
いま、こいつ『手首は』って言わなかった?
...『手首』は?
「ちょっと待って、『手首は』ってどうゆうこと?」
「ん~。つまりこうゆうこと」
私が奴に聞くとこいつは一瞬にやっとした顔をして、
私の手に自分の手を絡ませてきた。
いわゆる『恋人つなぎ』で。



