そう思って学校の前の交差点を曲がったとき。 「琉乃ちゃん。みーっけ!」 またあの地獄の声が聞こえた気がした。 うん。気がしただけでまだそうと決まったわけじゃないけどね! 絶対にこれは夢だ。 気のせいに違いない。 だって、ここにアイツがいるはずないし! それにさっき全力で振り払ってきたし。 だから息だってこんなに切れてるのに、 アイツの声が聞こえてきたほうからは息の上 がった音が聞こえてこないし。