全力で逃げたい男





「琉乃が逃げてるのはやっぱり、あれが原因?」



「....わかんない」



私だって、逃げたくて逃げてるわけじゃない。



ただ、あのまっすぐで一途な目が苦手なだけ。



「まぁ、いいけど。あんたもがんばんなよ」



「......うん」








「きりーつ。ありがとうございました」



委員長の掛け声とともにHRが終わる。




はぁ、今日もやっと終わった。



急いで奴が来る前に準備をする。