全力で逃げたい男





ホントは私が向き合えないだけなんだ.....。




私がそういった瞬間、アイツがもっと強く握ってきた。




「それはいくら琉乃ちゃんの頼みでも聞けないな。

だって俺、琉乃ちゃんに関わらないと生きていけない」




私はその言葉を聞いても、何も言わなかった。




いや、何も言えなかった。




だってアイツの目があまりにも真剣なものだったから。




私が関わらないと生きていけない?



そしたらあんたは、私がもしも死んだらどうするの?




....なんて、もしも私が想像してる答えが返ってきたらって思うと




怖くて聞けない。





私は結局、教室につくまでアイツと話さなかった。