一緒にお弁当食べよう…と言ってくれた。

梶谷さんも嫌そうな顔をしてなかったから私は頷いた。

ちょっとドキッてしたけど嬉しかった。

沙耶ちゃんと梶谷さんは私にとって初めての友達。

だからつい色んな事を話しちゃった。

家庭の事情の事も。

引かれるかな?って思ったら

テストが近くなると放課後、学校に残って一緒に勉強をしてくれた。

梶谷さんもわからない数式の解き方のコツを教えてくれて

本当に嬉しかった。

私は沢山与えられた。

沢山くれた。

私に笑顔をくれた。

奪う奪われる、蹴落とすの呪文から解放された。


普段は沙耶ちゃんと梶谷さんは二人一緒にいて私は一人。

でも助けてくれた事に変わりはない。

二人は恩人。


いつか恩返しがしたい。

私にできる事なんて限られてるけれど
私にしかできない恩返しをしたい

そう思った。でも…叶わなかった。


そんな日なんて来なかった。