ウサギとカメの物語 2



有料道路に入って約1時間。


私はコンビニで買ったサンドイッチを完食し、すでにお菓子に手をつけ始めた頃だった。


運転するヤツの顔はいつもと変わらず落ち着いていて、肩がこっているのか時折首を左右に捻る動きはしていたものの、これといった疲れは見せていなかった。


「そろそろ休憩とる?」


1時間くだらない話をしゃべり続けていた私も、ちょっと眠くなってきそうだったので休憩を取りたかった。
さすがに4時間も運転してくれる人の隣で爆睡は出来ないと思って、それなりに頑張っているのだ。


そんな私の申し出に対して、ヤツは前方を向いたままボソッとつぶやく。


「休憩無しでぶっ続けで運転しなきゃいけないんじゃなかったの?」

「それは…………冗談だってば」

「じゃあ、次のパーキングで休憩しよっか」


平日だっていうのに有料道路は割と混んでいて、そこまでスピードに乗れずにいた。
今いる場所としては、ようやく県外に出たところか。


10分ほど車を走らせて、目に留まったパーキングに立ち寄ることにした。


駐車場もなかなかの混雑ぶりで、ポツポツとしか空いていないスペースを見つけてすぐに駐車する。


「ソフトクリーム食べない?」


売店にソフトクリームの看板を見つけてカメ男に声をかけてみたものの、ヤツは「いらない」と首を振った。


「食べたいなら食べていいよ。ちょっとトイレ行ってくるから」

「分かった~」


仕方なく1人でソフトクリームを購入し、外の木のベンチに座って食べる。
真夏ということもあり、ソフトクリームの溶ける速さが尋常じゃない。
小学生の女の子2人にベンチを譲ったあとも、溶け続けるソフトクリームを急いで口に含んだ。