それから日が経ち、旅行当日になった。
前日からソワソワしちゃって、あんまり眠れなかった私。
学生時代、遠足や修学旅行がある前日は絶対に眠れなくて、楽しみで何度も旅のしおりに目を通していた。
それが今でも抜け切らないのだ。
朝から何度も荷物のチェックをして、忘れ物は無いかを確認する。
だいたい11時ちょうどに私のアパートまでヤツが車で迎えに来てくれることになっていたので、ワンルームの部屋をウロウロして待っていた。
有料道路に入る前にコンビニにでも寄ってもらって、お菓子とかお茶とか買っていこう。
それで、得意のおしゃべりでヤツを圧倒しながら新潟に向かうんだ~。
もうすっかり私は浮かれモードで、落ち着きなく過ごしていた。
ところがそれは、カメ男からの電話でいったん冷静にさせられることとなった。
『少し遅れるかもしれない。たぶん、お昼くらい。でも必ず行くから』
ヤツは電話口でそう言ったのだ。
何かトラブルでもあったのか、それとも単に寝坊しただけなのか、聞きたいことはあったんだけど。
それより先に電話を切られてしまって、聞くことが出来なかった。
ヤツのことだから、きっと前日のうちに準備を済ませておかなかったんだな。
で、今頃になって焦って荷物を詰めてるんだ。
迎えに来たら文句のひとつでも言ってやるか、と大人しくヤツを待った。



