ウサギとカメの物語 2



それから日が経ち、旅行当日になった。


前日からソワソワしちゃって、あんまり眠れなかった私。
学生時代、遠足や修学旅行がある前日は絶対に眠れなくて、楽しみで何度も旅のしおりに目を通していた。
それが今でも抜け切らないのだ。


朝から何度も荷物のチェックをして、忘れ物は無いかを確認する。


だいたい11時ちょうどに私のアパートまでヤツが車で迎えに来てくれることになっていたので、ワンルームの部屋をウロウロして待っていた。


有料道路に入る前にコンビニにでも寄ってもらって、お菓子とかお茶とか買っていこう。
それで、得意のおしゃべりでヤツを圧倒しながら新潟に向かうんだ~。


もうすっかり私は浮かれモードで、落ち着きなく過ごしていた。


ところがそれは、カメ男からの電話でいったん冷静にさせられることとなった。


『少し遅れるかもしれない。たぶん、お昼くらい。でも必ず行くから』


ヤツは電話口でそう言ったのだ。


何かトラブルでもあったのか、それとも単に寝坊しただけなのか、聞きたいことはあったんだけど。
それより先に電話を切られてしまって、聞くことが出来なかった。


ヤツのことだから、きっと前日のうちに準備を済ませておかなかったんだな。
で、今頃になって焦って荷物を詰めてるんだ。


迎えに来たら文句のひとつでも言ってやるか、と大人しくヤツを待った。