とはいえ。
私はどうしても優くんのことが気がかりで。
やっぱりどこかショックを受けていたような様子といい、そそくさと走り去っていったあの姿といい。
私に「困らせてゴメン」と言ってきた彼。
どんな思いでそれを言ったのかは分からない。
目に浮かぶのはいつでも笑顔の優くんだけど、事実を伝えた時のあの瞬間だけはそれをうまく表に出せていなくて。
その日を境に、仕事上のこと以外では一切話しかけてこなくなってしまった優くんに物足りなさを感じるようなってしまった。
一応、断っておくと。
私の彼に対する感情は愛だの恋だのそういうのではなく、本当に単なる友情以外の何ものでもない。
自分でもちょっとどうかしてるなって思うくらい私はカメ男のことは好きで。
他の誰よりもヤツのことが好きなわけで。
いくら相手が好みのイケメンだとしてもそこらへんはしっかり理性が働くというか。
本人には絶対に絶対に絶対に!
言わないけどね。
散々色んな人に私と優くんは気が合うとか、カメ男にさえも私たちは似ているとまで言われた仲。
そんな人を失うのは、少し寂しかったんだと思う。
優くんは持ち前の明るさと、やれば出来る子、という才能をいかんなく発揮して、約1ヶ月ほどでそれなりに仕事をこなすようになっていった。



