こんな状況だっていうのに、カメ男は至って落ち着き払った態度でボソッとつぶやいた。
「やっぱり、似てるよね」
「……………………………………何が?」
「梢と高槻」
どこが?
テンション高めなところが?
眉を寄せて優くんと私の似ているところを思い浮かべてみる。
ウンウン唸っていたら、カメ男は走り去っていなくなった優くんが立っていた場所を指差して
「基本的に笑ってるところとか、今みたいにダッシュするところとか」
と言った。
私、そんなにダッシュしてないと思うんですけど。
それから、そんなに常に笑ってるかなぁ?
笑い声がうるさいと注意してくるのはカメ男じゃないか!
「でもさぁ……私たちが付き合ってること、言っても良かったのかなぁ」
「嘘をついたところで、梢はどうせ顔に出るでしょ。だったら隠すのも面倒だし」
カメ男は私の不安を拭ってくれるどころか、とっても現実的なことを言ってくる。
ヤツがいかに私の性格を冷静に分析しているのかが伺える発言だ。
いつの間にかのそのそと歩き出したカメ男は、私がついてくるのを確認するようにこちらをチラリと見やった。
「あとは高槻がどう出るか分からないけど、梢を傷つけるようなことはしないと思うから大丈夫じゃない」
「……………………うん」
妙に説得力のあるカメ男の言葉を、しっかりと受け止めながらうなずいた。



