優くんは相当酔っているのか、足取りさえもフラフラしていて見ていられなかった。
ひとまず肩を貸してやると、彼はダラッと私にしなだれかかってきて、そしてぼんやりしたように二次会に誘ってきた。
「ねぇ、一杯だけ飲みに行こうよ」
「行きません」
「なんでなんで?俺のこと嫌い?」
「ウザッ」
「やっぱりウザいよね~……」
なんだっていうんだ、ほんとに。
いくらなんでも本当に残念すぎるでしょ、優くん。
若干冷めた目で彼を眺めながら、ため息混じりに「もう帰ろうよ」と提案してみる。
「優くん、かなり酔っ払ってるよ?帰った方がいいって。帰って寝なさいな」
「帰りたくな~い!梢んち泊めて!」
「はぁ!?無理に決まってるでしょ!!」
どこまで本気なのか分からないし、ラブなのかライクなのか不明だけど。
ひとまず彼が私に好意を寄せてくれていることは分かった。
だからと言って私のアパートに泊める理由にはもちろんならない訳で。
「もっと話そうよ~……話し足りないよ~…………」
うわ言のように私の耳元でつぶやく優くんの声がくすぐったくて、そして女々しい口調がこれまた笑いを誘う。
私に似ておしゃべり好きな彼の性格がよく表れたセリフだと思った。
「家、どこなの?一緒にタクシー捕まえに行ってあげるから」
彼を引きずるようにして駅の構内を歩き、ペデストリアンデッキに出てタクシー乗り場を目指す。
その中でも隣から抵抗する声が聞こえる。
「やだっ!帰りたくないっ!泊めて~!泊めて~!」って。
無理だっつーの。
普通に考えてみなさいよ、私たちは男と女なんだから許されないでしょうが。
私には彼氏がいるって優くんも散々聞いてるくせに。
……まぁ、正常な判断ができないほど酔っ払ってるんだろう。



