まだ痛がっているカメ男をよそに、私は優くんに質問をしてみる。
「優くんってそんなにかっこいいのに、彼女がいないなんて不思議~。理想が高いとか?」
まさか熊谷課長みたいに、女の子をカモにしてたりしないよね……。
そうだったらもはやイケメン恐怖症になっちゃいそうなんですけど。
一抹の不安を抱えていたものの、そんな私の予想とは違う返答が彼から返ってきた。
「俺、何故かフラれてばっかなんだよね~。何がいけないのかなぁ~。顔だけはいいのにさ」
「自分で言っちゃうの?それ絶対ダメなやつ!残念なイケメンになるからやめときなよ」
「おぉ、こわーい。梢ってドSだね~」
まさかドS呼ばわりされると思わなかったので、思わずブッ!と飲んでいた水を吹き出す。
「そんなこと言われたことないし!」
「彼氏は?いるの?」
「………………………いる」
「じゃ、その彼氏に聞いてみ~。絶対ドSだと思ってるって!」
ケタケタ笑う優くんと一緒に、奈々まで大爆笑してるし。
さっきテーブルの下でカメ男に食らわせた蹴りが、確かにドSと言えばそう捉えてもおかしくない行為だった。
いかん、梢!
女たるもの慎ましやかに清らかに!
私に欠けてるものはそれなんだ!
ゴホッとこれ見よがしに咳払いするカメ男と目が合った。
ヤツの目は恨めしく私を見ていた。
ごめんよ~、蹴っちゃって。



