須和柊平、29歳。

身長は181センチ(らしい)。
体重は知りません。
足の大きさも知りません。


彼の好きな食べ物は、和食、牛タン、お刺身、唐揚げ。
そして、私に勝るとも劣らずお酒好き。
とにかく黙々とハイスピードで飲んでおります。


のそのそゆっくりマイペースに歩くのが特徴ですが、仕事に関してはまた別。
電卓やらパソコンのキーボードは超高速で扱います。


趣味はボルダリングで、週に3回通っているそうです。
「ボルダリングやってるところ、見に行きたーい!応援したーい!」って猛アピールしたら、冷たく「絶対に来ないで」と言い放たれました。


でもその週3のボルダリングのおかげで、ヤツの体は細身のスーツ姿からは想像もつかないですがそれなりに筋肉質な体をしておりまして。
それが私のツボだったりするわけなんです。

別にマッチョが好きなわけではありません。
でもペラッペラの板のような体よりも、うっすらと筋肉がついている体の方が良くないですか?
え?私だけですか?
そうですか、ごめんなさい。


身長も申し分ないし、肉体的にも申し分ないです。

だがしかし。

とにもかくにも地味。
オーラが地味。すべてが地味。

いや、イケメンを求めすぎて地味に見えるだけなのか。
これが普通なのか。


どうしてこんなにも地味なのか。
私にはさっぱり分かりません。


顔は濃いか薄いかで言えば薄くて、奥二重の細い目をしている彼は、顔面レベルだって意外とまぁまぁ整ってる顔立ちで、正直言ってヤツの素顔を見た時はほんのちょっぴりドキドキしたもんです。


あの分厚い黒いフレームのメガネがいけないんじゃないかと思う今日この頃。
それから、いつでも寝癖がついているようなボサボサの髪の毛。

どちらにしてもあまり清潔感が感じられないので、ぜひとも爽やかに短髪にしてもらって、ついでにメガネを外してコンタクトに変えて欲しいんだけど。


それだけは嫌だと抵抗するから、仕方なく現状維持ってな具合です。


私も普通、彼も普通。
どこからどう見ても、どの角度から見ても。


私たちはごくごく普通の、どこにでもいそうな、目立つことのない恋人同士です。


それだけは認めようと思います。