そして金曜の夜になった。
当然のように私はカメ男の家に泊まるわけで。
2人で駅の地下に入っているスーパーに寄って、お酒とかおつまみとか、おかずを作る材料を買ったりとかして。
トイレットペーパーがもう無いんだった、とか、洗剤が無いんだった、とか、カメ男がちょいちょい思い出すからあっちへこっちへ歩き回る。
最後に「本屋に寄りたい」と言い出す始末。
私はあんたの荷物持ちか!っていうツッコミを入れたいのを我慢して、どちらかと言えば軽い方の袋を持った。
ヤツはよく最新家電が載っている雑誌とか、釣りの雑誌とか、音楽の雑誌とかを買って読んでいる。
興味あるのかと聞いてみたことがあるのだけれど、「興味があるか無いかで言えば、ある方」というなんとも微妙な答え方をしていた。
趣味の中に家電集めや釣りが入っているわけでもない。
カメ男の頭の中は謎だらけだ。
余談だけど、私が好きな恋愛ドラマとか恋愛映画はヤツは1ミリも興味を示さない。
テレビをつけてきゃあきゃあ言いながら見ていても、私の横でしれっと携帯をいじりながらうわの空だったりする。
画面に映るイケメン俳優を見習いなさいよ!と思う。
甘々の優しいセリフを真剣な表情で言ってる姿とか、ちょっとは参考にしてほしいわけ。
ただしイケメンに限る、っていう後付けはしないであげるからさ。
「お待たせ」
本屋の入口で待っていたら、何か雑誌を買ったらしいカメ男が声をかけてきた。
「なんの本買ったの?」
「ボルダリング」
「好きねぇ、ほんと」
ハマるととことんハマるタイプなのか。
見学にも行かせてもらえないからどんな楽しさがあるのか、私には理解出来ない。



