それからさらに変わったことと言えば、11月に入ってからの週末はカメ男とほとんど会えなくなったこと。
ヤツは引っ越しの準備で忙しいみたいで、平日には出来ない荷造りを週末にやりたいからとやんわり私が泊まりに来ることを拒んだ。
重い女代表として言わせてもらえれば、むしろ引っ越しの荷造りなら手伝いたいくらいの気持ちがあるんだけど。
カメ男いわく、自分以外の誰かに荷造りをされてしまうと、どこに何をしまったのか分からなくなってしまうから遠慮したいんだと。
単に会いたい会いたいとワガママを言う私とは違うんだよね、ヤツは。
仕方ないから12月に入ったら嫌が応にも週末は新居に押しかけてやる!って心に決めた。
「同棲の件はどうなったのよ?」
あっという間に11月の月末がやって来て、カメ男の異動も目前という日。
奈々がオーガニックハンバーガーをガブリと大きな口で食べながら、私を厳しく追求してきた。
「あんなにノリノリだったじゃない。タイミング見て同棲持ちかけてみる、って」
「そんなこともあったねぇ……」
「なにを遠い目してんのよ。たった1ヶ月前の話なんだけど?」
そういう奈々は年明けからついに田嶋と同棲することを決めたらしく、休日には2人で物件探しをしに不動産巡りをしているとか。
彼らにとっては一番幸せな時なのだ。
「だって気づいた時にはもうあっちが部屋決めちゃってて。同棲を言い出すタイミング逃しちゃったんだもん。仕方ないでしょ。またそのうち、って感じで焦るのやめた」
私が開き直ったように、むしろ悟ったように言ったので、奈々はちょっと納得が行かないような表情をしながらも「ふーん」と渋々うなずいていた。



