「分かってるわよね?同じ部署内での恋愛はよく思われない、って」
「うん、分かってる」
「じゃあ、話は早いわね」
カメ男があっさり答えるもんだから、久住は清々しい顔になって私の肩をポンポンと軽く叩いた。
「大野さん、元気出して」
元気出して、ってどーいう意味よおおおおおおお。
久住てめええええええええ!
血も涙も無いのか!
同期のくせにいいいいいいいいいいい!
恨めしや~、と口をへの字にして彼女を見ると、久住は楽しくてたまらないといった顔で笑ってやがった。
ちくしょー!
「え、もしかして、俺……余計なこと言っちゃった?」
完全に今さら感が漂う空気の中で優くんが焦った表情を浮かべて、アワアワと私たちに尋ねてくる。
それを見たら私のイライラが限界に達した。
「優くんっ!一生恨んでやる!!親友解消!!」
「ご、ご、ごめんなさーーーい!」
「絶交!今から絶交!!」
「梢~っ……」
私は本気で怒ってるっていうのに、優くんはちょっと半笑いで冗談っぽく受け取っているらしい。
なんて奴だ!
なんておめでたい奴なんだ!
「とーにーかーく!」
久住がテーブルを大げさにバンバン鳴らして騒がしい私と優くんの会話をぶった切る。
「須和くんたちのことは月曜に上に報告しておくから!公私混同は反対よ!」
「公私混同なんてしてないってば……」
一応弱々しく反論したものの、久住の耳にはもう聞こえていなかった。



