ウサギとカメの物語 2



ハッキリ言って強烈なキャラの優くんと久住がいるとなると、地味なカメ男が何かを発言する隙間なんて無い。
分かってはいたけど、4人で向かい合ってテーブルについたというのにヤツの存在感は即消え去ってしまい、会話は3人で繰り広げるしかなかった。


ボケーッと頬杖をついてブラックでコーヒーを飲んでいるカメ男をよそに、ド派手なワンピースに身を包む久住に気を使いながら私が話を進めていく。


「ねぇ、久住。優くんと初対面でしょ?どうかな?かっこいいと思わない?」

「えぇ!立派な顔立ちだとは思ったわ!」

「マジ!?ラッキー!」


ひゃっほー!と言わんばかりの優くんを、久住は目を細めてさらには肩をすくめた。
その彼女の口元には、あらまぁ笑みが浮かんでるじゃない。
これは、ひょっとしたらひょっとするか!?


「俺もさ、久住さんを初めて見た時からすげぇ素敵だなぁーって思ってたんだよ!特に、む………じゃなくて真面目そうな雰囲気とかさぁ!」


この野郎、胸が素敵って言おうとしたな。
そりゃ隣に座る久住の胸元ったら恐ろしく大きな盛り上がりで、しっかり谷間なんか見えちゃってるけど。


自分の微妙な胸を見下ろして凹みそうになっていると、優くんが「あのさ」と久住の方へ身を乗り出しどんどん話しかけていく。
彼のガンガン攻めるスタイルは友達であろうと好きな女の子であろうと、ほとんど変わりないらしい。


しかしまぁ、こうやって1歩引いて見てみると。
優くんと久住が釣り合うとは思えないんだけど、それを感じさせないほどに久住には余裕が感じられて、そして優くんからは必死な感じがひしひしと伝わってくる。


この2人は見ていて面白いな、とニヤニヤしてしまった。