久住に恋をした優くんが彼女の連絡先をどうしても知りたいと私に泣きついてきたがために、仕方なく仲を取り持ってあげることにした。
連絡先を交換させるためには久住にも声をかける必要がある。
そこで披露宴が終わって帰ろうという空気になった時に、機敏な動きで帰り支度をする久住に話しかけた。
「久住、このあと時間あるならお茶でもしていかない?」
「お誘いありがとう!どのお店で何分くらいお茶をするのかしら?」
「こ、細か……。15分くらいでいいからさ。駅ビルのカフェで。どう?」
「15分なら参加するわ」
何分なら来ないつもりだったのか。
神経質な彼女らしいといえばらしい切り返しだったけど、あくまでも目的は優くんと連絡先を交換してもらうためだ。
そんなに時間はいらないだろう。
「あと2人来るんだけど、いいかなぁ?」
「えぇ!どうぞ!」
快くうなずいた久住がニッコリ微笑む。
言ってることとかは普通なのに、どうしてこんなに口調が強いのか謎だ。
私が言う「あと2人」っていうのは、カメ男と優くんのことなんだけどさ。
私と久住がロビーで待っていると、少し送れて男2人がこちらへ向かってくるのが見えた。
カメ男はいつも通りのそのそ歩いてきて、そしてその隣の優くんはものすごく緊張していた。
「は、は、は、始めまして!事務課の、た、高槻です!」
自己紹介の声まで上ずっちゃってる優くん。
どうやら久住への想いは割と本物らしい。
彼女にはその緊張感はいまいち伝わっていないものの、代わりに彼の素敵な見た目だけは気に入ったらしく。
「総務課の久住です!」
と強めの口調で名乗っていた。



