「じゃあ、投げますよ~!3、2、1……」
式場スタッフの合図で、小巻ちゃんが階段の中段ほどの場所から後ろ向きでブーケをポーンと飛ばした。
ワッと女子の甲高い歓声が上がる。
彼女が投げた真っ白いお花が集まった綺麗なブーケは宙を舞い、私のすぐそばまで飛んできた。
うわーーーーーっ、来た!
どうしよう!どうしよう!
取ろうか!?取っちゃおうか!?
手を伸ばせば取れるかな!?
一瞬、その時だけスローモーションのように感じた。
背伸びして、手を伸ばそうとした時。
きっと奈々も私と同じことを考えていたみたいで、手を伸ばしかけていた。
その前に立ちはだかる優くんが、両手を大きく広げる。
でもそんな私たち3人の前に、驚くほどに素早く現れた人物がいた。
その人は目を見張るほどの身体能力で高くジャンプし、体を逸らしながらブーケをキャッチしてそのまま後ろに倒れ込む。
とっさに優くんがその人を抱きとめたのが見えた。
私と奈々の足元に倒れてきた優くんが抱きとめていたのは………………。
まさかの、久住だった。
彼女はブーケをギュッと抱いて離さず、倒れたあとにすぐさまムクッと起き上がると優くんを見下ろした。
「ちょうどいいところにいてくれたわ!どうもありがとう!」
威勢のいい久住の声は、ざわつく会場の中でも一際目立っていて。
優くんは目を見開いたまま
「あ………………、はい…………」
と、それだけ返事をしていた。



