先輩彼氏×後輩彼女@5月23日


「せんぱい、あっくんって呼んじゃだめ…?
呼びたい、です」

甘えた可愛い声。
けど、これを許すとばかにされる。
たぶん、本当に呼びたいんじゃなくて甘えてるだけなんだと思う。

「だーめ」

「けちー」

つぐは口を尖らせる。

俺は、つぐの頭を撫でてその場を離れようとした。

が。

ぎゅっ。
服の裾を掴まれる。


「…、ま、まだ行っちゃや。
まだ…、足りない。明輝せんぱい、足りない…
も、もうちょっと、ちゅう、してほしい、です…」

真っ赤な耳。
少し震えた手。
下を向いてるせいで見えないが、きっと顔も真っ赤だろう。